2012年6月アーカイブ

エドワード・ソープがシュワッガーの質問に答えていくのですが、ルーレット攻略法についても答えています。
「マネーゲームの予言者(プレディクターズ)たち―複雑系科学者、市場予測に挑む」に登場するクオンツも、学生時代にルーレット攻略をしようとした話を、その本だったか、他の本で読んだ記憶があります。
ソープがシャノンと開発した、ウェアラブル・コンピュータは以下のような仕様らしい。

  1. 「00」の数字が予め決めておいた目印となる位置を通過したタイミングを記憶
  2. 「00」の数字が予め決めておいた目印となる位置を2回目に通過したタイミングを記憶
  3. 投げ入れた珠が、「00」と交差したタイミングを記憶
  4. 投げ入れた珠が、「00」と2回目に交差したタイミングを記憶
  5. 計算の結果、40%以上のエッジをもたらすような、賭けるべきゾーンを予測
これって、その昔、パチンコの体感機プロがヘソチャッカーに入賞したタイミングを体感機に入力していたことを思い出しました(笑)

日本でも、沖縄やお台場にカジノを作ろうという話をたまに聞きます。
実施されたら、かつての体感機メーカーがルーレット攻略機を作り出すかもしれませんね。

大昔、工学社から出たばかりの「ディーラーをやっつけろ!」の終わり近くで、ソープが、ブラックジャック以外にも、ルーレットやマーケットの攻略法を発見したという意味のことを書いていました。
その当時は、(ブラックジャックはともかく、ルーレットやマーケットの攻略法とは?)と狐につままれたような気分がしました。
ブラックジャックは、ゲームの進行に従って、各カードを引く確率が変化するし、それはカウントすることで、子に有利な状況を知ることができます。
(1組のカードを使う場合、Aが4枚出たら、残りのカードからAを引くことはありません)

ルーレットは、各数字に球が落ちる確率は、ゲームの進行に従って変化しません。
(赤が連続して10回出ても、次に赤が出る確率は変化しません)

やがて、マーケットの攻略法とは裁定取引(株式とワラント、あるいは統計的裁定取引など)と知ることができてきたのですが、ルーレットの攻略法というのが長年の謎でした。
それが、「天才数学者はこう賭ける」と本書のお陰でようやく謎を解くことができたのでした。

ジャック・シュワッガーの「マーケットの魔術師」シリーズの新作。
近年のヘッジファンド・ランキングで上位に名前が上がる人たちも登場するが、目玉はエドワード・ソープへのインタビュー。


他のヘッジファンド・マネージャーへのインタビューに比べ、倍近いページが割り当てられています。
  • ブラックジャック
  • ルーレット
  • バカラ
  • 幸運の輪
といったカジノ攻略の話から
  • トレンドフォロー
  • ケリーシステム
  • 客観的な確率が不明な場合のケリーシステムの適用
など、「天才数学者はこう賭ける」「クオンツ」などでも取り上げられた話題もありますが、シュワッガーが、更に突っ込んでインタビューしています。

他の「マーケットの魔術師」シリーズと同様に、早ければ年内にもパンローリング社から翻訳本が出ると思われます。

ケリーシステムについては、少し前にケリーシステムに関する論文を集めた本がでましたが、それより読みやすいので、興味のある人にはお勧めです。

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