合理的市場という神話―リスク、報酬、幻想をめぐるウォール街の歴史

| コメント(0) | トラックバック(0)
「ザ・クオンツ」のことはいったん中断して、新刊の「合理的市場という神話」のことを書こうと思います。

「証券投資の思想革命」や「ウォール街のランダムウォーク(ウォーカー)」等を読んでいて、米国のファイナンス理論や市場の歴史に予備知識がある人だと、知ったような名前や議論が沢山出てきて、読みやすいです。
そうでないと、読むのに多少苦労しそうです。

(引用)
第1章 大暴落の道化と現代ファイナンス理論の設計者
第2章 ランダムウォーク理論の萌芽
第3章 ポートフォリオ選択理論
第4章 効率的市場仮説の起源
第5章 資本資産評価モデルの誕生
第6章 経済学における最も確固たる命題
第7章 インデックス・ファンド革命
第8章 オプション評価式の導出
第9章 企業は市場にしたがう
第10章 行動経済学の創始
第11章 合理性仮説への攻撃
第12章 市場に打ち勝つ
第13章 ウォール街の番人
第14章 ラビ経済学からの脱却
第15章 合理的市場の使徒の変節
第16章 ダブル・ノックアウト

長期的に市場に打ち勝った実績がある投資家として、ウォーレン・バフェットとエドワード・ソープが出てきます。
この種の議論になると、バフェットやピーター・リンチ(マゼラン・ファンド)の名前はよく出てくるのですが、最近の本ではソープの実績が紹介されることが多い気がします。
※「天才数学者はこう賭ける」「市場リスク 暴落は必然か」「ザ・クオンツ」など。

「コイン投げの比喩」もよく使われるのですが(投資して20年間市場平均を上回ることを、コイン投げをして20回連続してオモテが出ることと同一視すること)、むしろ、サイコロを1つ、20回コロがして1の目を18回以上出すとか、サイコロを2つ20回コロがして1のゾロ目を18回以上出すことに例えた方が正確だと思います。
市場平均を上回るにしても、その度合いというものがあるので。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://systemtrader777.com/mt/mt-tb.cgi/94

コメントする

最近のブログ記事

The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その4)
「The Perfect Bet: Ho…
The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その3)
完全無欠の賭け: 科学がギャンブルを征服…
The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その2)
完全無欠の賭け: 科学がギャンブルを征服…