システムはなぜダウンするのか

| コメント(0) | トラックバック(0)
「システムはなぜダウンするのか」
価格 2,520円(税込み)
ISBN 978-4-8222-8381-0
発行元 日経BP社
発行日 2009/01/26

1月6日(金)、国会図書館に行きました。
普段から調べ物をするのに、よく利用していました。
今年から新システム導入とのことでしたが、ヒドイ状態で、「システム障害」と言えるレベルのものでした。
国会図書館のシステムでは、入館・蔵書検索・貸出申し込み、本の受け取り・複写申し込みなどの手続きで、入館証が必要になります(その都度、カードリーダーで、利用者情報を読み込む)。

旧システムでは

  1. 入り口で、入館証発行機に個人情報をスタイラスペンを使って、入力。当日利用の入館証を発行
  2. 入館証を使って、入館ゲートを通過
  3. 館内に多数設置されている端末のカードリーダーに入館証をセット。認証する
  4. この端末で、本を検索し、同じ端末から貸出の申込み
  5. 館内に、貸出の準備が出来たことを知らせる電光ボードがあるので、そこに自分の入館証の番号が表示されたら、本を受け取りに行く。係員が入館証の情報を読取装置で読み込む
  6. コピーしたい場合は、複写申込用の端末を利用。申込用紙を印刷。コピーするページ番号を記入して、複写カウンターに持って行く。
  7. 係員が、ページや用紙サイズを確認して、受付。係員が入館証の情報を読取装置で読み込む。
  8. 館内に、コピーが出来たことを知らせる電光ボードがあるので、そこに自分の入館証の番号が表示されたら、コピーと本を受け取りに行く
  9. 利用が終わった本を返却カウンターに持っていく
  10. 係員が本を受け取り、入館証の情報を読取装置で読み込む
ざっと以上のような手順でした。ログイン認証はスムーズで、ストレスを感じませんでした。
今日体験した範囲では、

  1. 入館証の自動発行ができない。申込み用紙に手書き。この用紙と入館証を交換
  2. 端末のカードリーダーに入館証をセットしてから、ログインまでに時間がかかりすぎる
  3. ひどい場合には、30秒以上経過しても、次の画面に遷移しない
  4. (これは慣れてないだけかもしれないが)本の貸出申し込みをするまでに、メニューがわかりにくい。画面遷移に時間がかかる
  5. (これはバカバカしすぎる設計だと思うのですが)電光ボードを廃止してしまったため、本の貸出準備が出来たか知るには、端末にログインして、端末で確認しなくてはいけない。しかも、画面は貸出準備ができても自動的に切り替わらないので、F5キーを押すなどして、再読み込みしなくてはいけない(DoS攻撃???)
  6. コピーを頼む場合も、別端末に再度ログインしなくてはいけないため、また認証までに時間がかかる。
  7. コピーの受付終了時間ギリギリだと、間に合わない場合がありそうだ
  8. 端末にログインできない場合があった。前にログインしていた端末が、ログアウトしたことになっていなかったからとのこと。
  9. カードリーダーからカードを抜き取るとき、一時離席か、ログアウトか確認画面が出る仕様になっているのだが、この画面自体の表示に時間がかかりすぎ、気が付かず席を離れるケースがあった
今回の新システムでは、デジタル化した蔵書を端末で閲覧できることなどが目玉なそうです。
しかし、1日に何度も書籍、新聞雑誌資料の貸出や複写の申込みをし、その合間に閲覧、、電子ジャーナルの利用、食堂や喫茶店の利用をする者にとっては、何とも不便なシステムになったと言わざるをえませんでした。
同じ感想を持った人は他にもいるようで、Twitter検索で、「国会図書館 システム」で検索すると、実際に利用した人の感想を見ることができます。
機能を豊富にしたのはいいのですが、その反面、今まで出来ていたことが出来なくなっています。

明日以降、事態が改善されていることを望んでやみません。


システムはなぜダウンするのか

第1章 システムが止まった...
   ――「ダウン」とは何か
1.1 停止=ダウンは誤解
1.2 ダウンは原因から4種類に分けられる

第2章 きちんとテストしたはずなのに...
   ――アプリケーション・ソフトの不具合
2.1 突然に目を覚ます20世紀のバグ
2.2 忘れたころにやってくる「日付問題」
2.3 データベースのデッドロックが連発

COLUMN こちらシステム・ダウン相談所
    システム・ダウンが「3K」の一因?

第3章 アプリケーションだけではない...
   ――OS、ミドルウエアの不具合
3.1 停止を検知できない
3.2 組み合わせを変えたら動かない
3.3 メモリーをつかんだまま解放しない

第4章 アクセス殺到に耐え切れず...
   ――性能・容量不足
4.1 ハードウエアの性能を生かしきれない
4.2 メモリー、CPUが足りない
4.3 通信データの増加がダウンをまねく
4.4 データベースが満杯に
4.5 夜が明けてもバッチ処理が終わらない

COLUMN こちらシステム・ダウン相談所
    運用担当者は叱られ役?

第5章 気づかなかったは許されない...
   ――環境設定・変更ミス
5.1 つい見逃すパラメータ変更
5.2 システム環境の変更ミス
5.3 パッチ・ファイルの適用忘れ
5.4 カレンダーの設定ミス

第6章 その「うっかり」が致命傷...
   ――運用・操作ミス
6.1 運用コマンドを間違える
6.2 データの移行・入力ミス
6.3 待機系への切り替えに失敗
6.4 混乱が「2次災害」を生み被害拡大

第7章 まさか、こんなことが起こるとは...
   ――ハード故障、不慮の事故
7.1 サーバーが壊れた
7.2 通信ネットワークが不通に
7.3 コンピュータ、電気なければただの箱
7.4 震災でデータセンターが破壊・焼失

COLUMN こちらシステム・ダウン相談所
    ダウンが減りすぎて困る?

第8章 障害対応は時間との闘い...
   ――ダウンに学ぶ
8.1 原因究明よりも復旧を優先

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://systemtrader777.com/mt/mt-tb.cgi/96

コメントする

最近のブログ記事

The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その4)
「The Perfect Bet: Ho…
The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その3)
完全無欠の賭け: 科学がギャンブルを征服…
The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling (その2)
完全無欠の賭け: 科学がギャンブルを征服…